お正月の風物詩　箱根駅伝ですが、一人では、あきらめてしまいそうな時でも、仲間がいるから頑張れる。そのことが今年もよく伝わってきました。
　戌年は、十二支の１１番目となり、今まで積み重ねてきたことを「結実させる年」です。同時に2020年に向けて「種を撒き、仕込みをする準備の年」でもあります。
　新年にあたり、今日は、皆さんにサトウ ハチローさんの詩を紹介します。サトウ　ハチローさんは詩人であり、童謡作詞家であり、作家です。「小さい秋見つけた」で日本レコード大賞童謡賞も受賞しました。　　　　　　　　

　美しく自分を染め上げてください　　　　サトウ ハチロー

赤ちゃんのときは白　誰でも白　どんな人でも白
からだや心が　そだっていくのと　いっしょにその白を
美しく染めていく染めあげていく

毎朝　目がさめたらきょうも一日ウソのない生活をおくりたいと祈る
夜　眠るときに　ふりかえってその通りだったらありがとうとつぶやく

ひとにはやさしく 自分にはきびしくこれをつづけると 白はすばらしい色になる
ひとをいたわり自分をきたえるこれが重なると 輝きのある色になる

なにもかも忘れて ひとのために働く汗はキモチよく蒸発し くたびれも よろこびとなるこんな日のひぐれには母の言葉が耳にすきとおり父の顔が目の中で　ゴムマリみたいにはずむ

生まれてきたからには　よき方向へすすめからだや心を大きくするには　よき道をえらべ横道はごめんだ　おことわりだ

いそがずに　ちゃくちゃくと　自分で自分を美しく　より美しく　染めあげて下さい

純白一新の心で新しい年をスタートしましょう。

　次は、志村ふくみさん（93歳）です。染色家であり、紬織の重要無形文化財保持者（人間国宝）です。そして随筆家です。
　草木染の糸を使用した紬織の作品で知られ、平成２年に農村の手仕事だった紬織を「芸術の域に高めた」と評価され、紬織の重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されました。

　随筆の名手としても知られ、1983年度は『一色一生』で朝日新聞社の文学賞である大佛次郎賞（おさらぎ　じろうしょう）を受賞しました。2015年には文化勲章です。　
　百の植物に百の色が生まれる
自然界の恵みの色に惹かれ、望みの色を生み出すため一生をかける染色作家　志村ふくみさんが、様々な人や色との出会いを語っています。

　さて、今は冬なので桜の樹は花も葉もついていません。見えるのは枯れた枝だけです。しかし、４月になると見事に美しい花を咲かせます。
　 志村ふくみさんは、冬から春になる前の桜の樹の幹の中では、ものすごい勢いで春の準備がなされていて、外からは見えない桜の樹液で素晴らしい桜色の染物ができる。そう語っています。

　人間の生活も桜の樹のような営みです。美しい花を咲かせる時、いわゆる目標や夢を実現するその時が来るには、しっかりした準備の営みの期間が必要です。
　「高くとぶためには、しゃがむことが必要」2012年ノーベル賞　山中伸弥先生の名言もあります。

　５日は寒の入りの小寒、20日は大寒、２月４日は立春です。これから春に向かって寒さが厳しくなりますが、草木がじっくり根をはる好機です。
　今日から再開する２学期後半の３か月は、卒業・進級という大きな節目に美しい花を咲かせるために越中ライフを仕上げる期間であり、４月からの新生活を始めるために種を撒き、仕込みをする大切な準備期間です。
　また、皆さんの未来において中学生時代を含む10代の時期は、将来、美しい花を咲かせるための大切な準備期間なのです。

　この厳しい冬の時期、桜の樹のように外には見えない心の中のスイッチを自分の将来に向けてしっかりＯＮに切り替えましょう。
　『自分に向かうときは厳しい冬の心』で、物事に一生懸命、取り組んでください。

純白一新！　心新たに　2018年 平成30年を皆の力で幸せな年にしましょう。