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「宮中日記」への思い

●校長がHPを更新する意義

 「学校が自校のHPを作成し公開する」という文化が世の中に根付いて、何年くらいになるでしょうか。実はこの仕事、あまりやりがいのある仕事ではありません。HPは学校としての公的な情報発信の場ですから、いい加減な情報発信は許されませんし、発信した情報には責任が伴います。そして気を遣いせっかく苦労してHPを更新しても、閲覧者が1日5人や10人ではやる気もそがれます。

 この3年間の宮内中では、年度初めにHPの大枠を作成するのは担当職員ですが、日々の更新は基本的に「宮中日記」と「配付文書(おたより)」だけで、それを校長が担当しました(教頭が代理する日もありました)。校長自らが責任ある情報発信の手段として「宮中日記」を更新するわけですので、誰のチェックも必要ありません。「学校の情報発信の最終責任者は校長である」ことを考えると、「校長自身が情報発信する」のが一番簡単な方法です。


●毎日HPを更新する意義

 「授業日は毎日更新する」これが「宮中日記」の原則です。これはもちろん、保護者の皆さんから「今日の話題は何かしら?」と毎日アクセスしてもらうことが目的です。「『宮中日記』にアクセスすれば必ず学校に関する新しい情報がある」、そう思ってもらうことが大きなねらいでした。

 この背景にあるのは、災害や事件が発生した時の情報伝達手段として、HPを機能させるためです。緊急時には、紙ベースや電話連絡等の情報発信が不可能になることが十分予想されます。幸いなことに私の在任中には心配されるような大きな災害や事件は起きませんでしたが、そんな時こそ学校のHPは威力を発揮するはずだと考えたのです。

 また、宮内中では3年前から学級連絡網を廃止し、学校行事実施の有無を保護者の皆さんに連絡する等は、「宮中メール配信システム」と「○時にHPをご覧ください」という連絡だけにしました。現在では何も混乱なく、宮中の文化として定着しています。教職員の仕事量も軽減しました。

 「宮中日記」の更新を毎日行うことは、私自身の生活習慣です。どんなに他の仕事で忙しい時でも、退勤前の「宮中日記」の更新は、私にとって一日の勤務を終える大切な儀式となりました。出張等で学校に不在の時には教頭先生からその役割を担っていただきましたし、修学旅行先から更新したこともありました。

 保護者会の後などに学級担任から、「○○くんのお母さんが『学校のHPを楽しみにしています』とおっしゃっていました」とか、「『親子の会話のきっかけにしています』という話題が出ました」などと報告を受けると、私自身もとても幸せな気分にさせていただきました。また、本校職員の「私たちも学校のHPを時々チェックしないと、生徒や保護者との話題についていけません」の声には、「しめしめ」とほくそ笑んでいました。


●「ネタ探し」は「生徒や職員のいいとこ探し」

 行事、朝会や集会、授業、生徒会活動、部活動など、「宮中日記」のネタは学校生活すべてにわたります。そのため私はデジカメを片手に、日々校内の至る所に出没することになります。これが、学校の管理職として実に有効な習慣となりました。

 「宮中日記のネタ探し」は「生徒や職員のいいとこ探し」でもあります。授業はもちろん、給食や部活動の様子、生徒会活動や掲示物など、学校中のいたるところにニュースはたくさんあります。今ふり返ると、毎日の「宮中日記」の更新は、私の「校長としての眼」を育ててくれたのは間違いありません。

 宮中日記が職員や生徒との会話の糸口になることもたくさんありましたし、先生方から「校長先生、今日は授業で○○をしますから見に来てください」と声をかけてもらうこともありました。

 そして保護者や地域の皆さんから「校長先生、見てますよ」と声をかけていただくことは、大きな励みになりました。職員、生徒、保護者、地域の皆さん、そして宮内中に関係するすべての皆さんに、心から感謝しています。

 とても名残惜しいのですが、平成30年度の「宮中日記」の更新は今日で最後となります。また、私(山田修)が校長として更新する「宮中日記」も、これで最後です。3年間、大変ありがとうございました。そしてお世話になりました。宮内中学校のますますの発展を、心から祈っています。 

【追記】今日の15時過ぎに、吹奏楽部の諸君が私(校長)のためにミニコンサートを開いてくれました。生徒フォーラムに響き渡る、迫力があり洗練された美しいメロディーに、感激しました。心温まるメッセージも嬉しかったです。吹奏楽部の諸君、本当にありがとう。ますますの活躍を応援しています。
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