3年生の歴史の授業の導入で必ず話すことがあります。それは「ミッドウェー海戦(※)で、なぜ日本海軍は負けたか」です。この戦いでは日本海軍になかったものが一つだけありました。皆さんは何だと思いますか。勝つために必要なものを全て持ち、必ず勝つだろうと言われていた日本海軍になかったもの、それは「運」でした。この日の日本海軍は行ったことが全て裏目に出ました。それでも、実力で途中までは米軍を圧倒していたのですが、一瞬のスキを突かれ大惨敗することになります。
「運」の語源は、軍隊や戦争に関係があり、車の上で将軍が立ち、旗がなびく形を表しているそうです。「運」という漢字の中に「軍」がある。関係を思わずにはいられません(「つづきを読む」をクリック)。
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もう3か月後には、皆さんの多くが大会やコンクールに参加し勝負することになります。では「運」を呼び込むためにはどうするか。それはやれることを全てやりこんで努力し、実力をつけるしかありません。「運」も実力の内と言うではありませんか。「運」による勝ちの不思議はありますが負けの不思議はありません。「運」を呼び込み、勝利の歓喜を味わうため、最後の努力をしてください。そして当日、圧倒的に不利な状況でもあきらめてはいけません。あきらめたら終わりです。どんなに不利な試合でも、一回は流れが変わります。そして相手がバランスを崩す時があります。そのチャンスを逃さないことです。
この話は例年の流れで言えば、いつも3年生の5月頃に社会科の授業で話したかったのですが、もう私はあなた達に話すことができません。私にもかぼちゃの馬車が迎えにきたようです。皆さんの大会やコンクールでの勝利をお祈りし、最後の話としたいと思います。さようなら。
※ミッドウェー海戦:太平洋戦争のターニングポイント(転換点)となった戦い。戦力、練度、勢いとも日本海軍が圧倒的に優勢であったが、大敗北した。この戦い以後、戦争の流れは変わり太平洋戦争の転換点と呼ばれる。