教室はまちがうところだ〜3年生3年生も半年を過ぎたころ、授業で発言する子どもが特定の子になり、少なくなってきたように感じていました。考えてみれば、それは自然なことなのかもしれません。発言力のある子や間違いが少ない子、積極的な子が手を挙げて発言していると、周りの多くの子どもたちは自分が発言するまでもないと考えるのです。 手を挙げて自分の意見を発言するのはよいことです。なぜなら、主体的に考えて表現している現れだからです。手を挙げない子どもたちに話を聞くと、「みんなの前で話すのははずかしい」「間違えたらどうしようと思う」という声も聞かれました。しかし、自分の考えを表現することをやめてしまうと、どうしても人任せになります。そして、他人ごととして考えてしまうだけでなく、途端に考えることをやめてしまいます。 大切なことは、目立つことや活躍することではなく、「自分の考えをしっかりともつことと、それを表現すること」です。 3年生では、クラス会議によって合意形成する力を育むことに力を入れてきました。「みんな えがお」であるためには、特定の子だけでなく、みんなの意見が反映される必要があります。 そこで、子ども同士の指名を取り入れたところ、たくさんの子どもが発言の機会を得るようになりました。主体的に学ぶことで思考力を育むとともに、知恵を出し合い、よりよい考えをつくる経験を積み重ねています。 〜・・・ああじゃないかこうじゃないかと みんなで出し合い言い合うなかで ほんとのものをみつけていくのだ そうしてみんなで伸びていくのだ・・・〜(蒔田晋時「教室はまちがうところだ」より) |
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