相手の表現を「聴く」〜4年生1時間の音楽の学習に,「リズム遊び」や「歌唱」「リコーダー演奏」など,様々な活動を連続して取り入れました。その中でも,重視していたことは,仲間や教師の表現を「聴く」ということです。 例えば「リズム遊び」では,仲間や教師が即興的に表現したリズムを模倣して表現する場面がありました。模倣するには相手の表現を「聴く」という行為がなければ成り立ちません。「聴く」には,自分の動きを止め,仲間の動きを見て,リズムに耳をそばだて,理解し受け入れる過程があります。その上で,模倣という行為が生まれます。 「隣の人と話をしながら」や「上の空」や「遊びながら」では「聴く」ことはできません。授業では教師が指示を極力出さずに,子どもが音楽を感じ取り模倣する姿がありました。 また「歌唱」や「リコーダー」では,皆の前で仲間が一人で歌ったり演奏したりする発表形式での場面がありました。 発表者が一人なので子どものほとんどは「聴く」立場にあったわけですが,ここでは仲間の表現を好意的に受け入れ,拍手で称賛する「聴く」という姿勢を大切にしてきました。聴き手が好意的に音楽を受け入れることで,演者は安心して表現することができます。仲間の表現を拍手で称賛したり,労いの言葉を掛けたりする様子を見ることができました。 今回は音楽の学習における「聴く」を抽出した授業でしたが、「聴く」は音楽以外の場面でも大切になります。「聴く」行為からは「相手の伝えたいことは何であろうか」「仲間はどんな気持ちなのか」「仲間は何を考えているのか」など,他者に関心をもち,おもんばかる姿勢が表れてきます。今後も,子どもが相手の表現を「聴く」ことができるように様々な場面を設定していきます。 |
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