学校概況

1.校区について

山古志は新潟県中央部の長岡市南東部に位置し、小千谷市、魚沼市に接した山間丘陵地にある農村である。旧山古志村当時で人口2200名を数え、14の集落(種苧原、虫亀、池谷、楢木、竹沢、間内平、菖蒲、山中、油夫、桂谷、梶金、大久保、木籠、小松倉)が山間に散在している。

山古志には昔からの生活の工夫から産み出された文化と歴史が伝承され現存している。特に、「錦鯉の養殖と販売」、国の重要無形民族文化財指定の「牛の角突き」、日本一の手彫りの「中山トンネル」は県内外に名を馳せている。そして、食文化にも独自なものがあり、冷涼な気候と天日乾燥による「山古志米」の美味しさは魚沼産にも匹敵し、「かぐらなんばん」料理は、家庭ごとに違う味になっていて食する人を魅了する。

また、山頂から谷底までの傾斜地を階段状に利用した棚田の美しい景観は見る人を圧倒し、写真愛好家が年間にわたって訪れている。 平成17年4月1日の合併により古志郡山古志村から長岡市山古志に改名とされた。

2.学校について

1級へき地校 児童数10名・教職員数4名(令和5年4月1日現在)

平成12年度(2000年)にそれまでの種苧原小学校、池谷小学校、竹沢小学校、虫亀小学校、東竹沢小学校の5校が統合され、竹沢小学校を改築して山古志小学校が創立された。

当校は「特色ある学校づくり」として、総合学習を中心に錦鯉・牛の角突き・中山トンネルなどの山古志の文化と歴史、それに、住民の地域における生き方や生活の工夫を学んでいる。このことを通して、子どもたちが郷土に誇りをもつとともに将来において地域の発展に寄与できることを強く願うものである。

中越地震の被害状況と山古志地域での学校再開までの経過の概要

1,平成16年10月23日……5時56分中越大地震が発生し、山古志は震度6強の地震に襲われた。家屋の崩壊や大規模な土砂崩れによる道路の寸断で全てのライフラインが壊滅した。学校は校舎の傾斜や床の陥没、グラウンドの沈下や亀裂など大きな被害を受けた。

2,10月24日〜25日……全村民の長岡市への避難指示が出され、子どもたちは家族と共に自衛隊のヘリコプターに乗り、長岡市内の9カ所の避難所に入った。各避難所では村役場職員により、受付や届けられた救援物資の配分が開始された。また、パンや牛乳などの緊急食料品が届けられ個人に配給された。学校は臨時休業となった。

3,10月25日より……小・中学校職員は中越教育事務所の一室を借り、事務所の主事を中心として組織された「山古志村小中学校支援サポートチーム」の支援を受けながら、各避難所の巡回を開始した。巡回では、「子ども一人一人の住所変更の有無」、「健康状態の変化の有無」、「心配なことや不安なこと」などを確認した。

4,10月26日……避難所では自衛隊による食事の世話が始まり、温かい食事がとれるようになった。また、救援ボランティアが県内外から駆けつけ、避難生活の支援を開始した。学校は阪之上小学校に間借りして再開することになり、教務室や教室の設置が開始され、また、災害救助法による教科書などの手配や県内外の学校や個人からの救援物資により、子どもに配布する学習用具や指導用の教材・教具のなどの準備を開始した。

5,11月1日からの三日間……午前中の避難所巡回に引き続いて、避難所ごとで1時間程度の学習活動を実施した。また、保護者への学校説明会を開催し、今後の見通しや学習用具の支給などについて話した。

6,11月5日……保護者同伴の事前登校を実施し、阪之上小学校までの通学路を確かめたり校舎内を見学したりした。また、通学用のカバンや運動靴、授業で使用する教科書や学用品などを子どもたち一人一人に配布した。

7,11月8日……阪之上小学校内で学校を再開し、初日に両校の子どもたちの面識会や合同避難訓練を実施した。また、給食を一緒に食べるなど学年同士の交流を実施した。

8,12月中旬……子どもたちの居住地が、避難所から仮設住宅(新陽,陽光台、青葉台)に変わった。学校では、阪之上小学校との交流を大切にした教育活動を進め、学校行事や児童会行事(運動会や雪まつりなど)を合同で開催したり学年同士の相談による合同の授業や給食会を実施したりした。また、清掃班や委員会活動など日々の活動でも両校の子どもたちで組織したグループで取り組んだ。

9,平成17年4月1日……長岡市との合併により長岡市立山古志小学校と改名した。

10,平成17年夏以降……山古志への一時帰宅が許可されて以来、子どもたちは家族と共に週休日を利用して山古志の自宅に行くようになった。

11,平成18年10月30日……山古志小学校は校地に大きな被害を受け使用できなくなったため山古志中学校の校地内に山古志小・中併設校として新設され、山古志地域での学校開催を果たした。

☆ おわりに  中越大震災の被災に際し、県や長岡市内外の教育関係機関の皆様を始め、全国の学校や個人の皆様から温かいご援助や励ましをいただき誠にありがとうございました。   お陰様で早期に教育環境を整備することができ、子どもたちは元気に学習活動に励んでいます。山古志小学校職員一同、心より御礼を申し上げます。