3月15日(金)から、新しい委員会での活動がスタートしました。この委員会は、来年度6年生となるフェニックス学年が、1年間所属する委員会です。6年生が卒業してしまう前に、来年度のメンバーでスタートをして、アドバイスをもらったり、仕事に慣れたり、来年度の活動のアイディアを考えたりするねらいがあります。
フェニックスの子供たちは、新委員会の活動にとても前向きで、はりきっているのですが、そこに至るにはいくつかのステップがありました。委員会の設置数は、今年度7委員会なのですが、来年度から6委員会になります。
実は、これは5年生フェニックス学年が話し合って決めたことです。3月になったばかりのある日、「今年度の5・6年生が組織する委員会メンバーは57人。それが来年度には39人になります。」と子供たちに伝えたとき、「それだと一つの委員会のメンバーがすごく減るんじゃないか。」「そうなると、活動が苦しくなる。」といった声が挙がりました。現在のままでは、来年度の自分たちの委員会運営に危機感をもったのです。そこで、後日それぞれが改善のためのアイディアを持ち寄って話し合うことにしました。
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会議では、「全ての委員会を新しく決め直す」「委員会の数を7から5に減らして、1委員会あたりの人数を今と同じにする」といった案が出ましたが、議論した結果、「今ある二つの委員会を合併して、六つの委員会にする」という案が採用されました。
その後、「現在の活動の質をなるべく落とさないためにはどの委員会を合併するのがよいか」を議論しました。子供たちは、今年度の活動経験を通して感じたことを生かして、真剣に考えました。複数の案が出た中で、「福祉委員会と保健委員会を合併する」ことに決定しました。合併してできる委員会の名前についても提案があり、「JRC委員会」とすることにしました。
議論を終えた子供たちはほっとした様子でしたが、「それじゃあ、今話し合ったことを校長先生に承認してもらわないとね。」と担任が言うと「そうなんですか?」という反応が返ってきました。
実は、委員会再編の案をつくることは、本当にフェニックス学年に任されていました。そして、決まった案は児童の代表が校長に承認を得るという手順を踏むことで、決まっていることを変える手順を教え、集団自治の意識を高めるというねらいがありました。
日を決めて来年度の児童会長と副会長が校長室に行き、自分たちの話合いの経緯を説明しました。そして、案の承認を得ました。教室で自分たちの案が採用されたことを伝えると、みんなから拍手が起こりました。
このようにして決まった来年度の設置委員会には、「自分たちが考えてつくった」という思い入れがありました。自分で考えて行動を起こしたことについては、責任と主体性が生まれます。そういった姿が、張り切って新年度の委員会をスタートした子供たちに見られたのです。
「自分ごと」として考えることは、責任と主体性を大きく左右します。その結果、子供たちの力は大きく伸びると考えています。この1年間、自治力と自学力の育成に力を入れてフェニックス学年の子供たちをサポートしてきました。
昨年の4月には、宿題の提出も全員揃わなかったのが、今では毎日全員が提出し、さらに8割の子が自分で課題を決めて家庭学習をしてくるようになりました。また、教師があれこれ指示しなくても、時間や状況を見て自分たちで行動する場面が多くみられるようになりました。
このような責任感や主体的な行動が見られるようになったことは、担任としてとてもうれしいことです。来年度に向けて希望をもって進んでほしいと思います。