3月も半ばとなりました。もうすぐ卒業を迎える6年生に感謝の気持ちを伝えようと、5年生が主体となって「6年生ありがとうプロジェクト」を実行してきました。子どもたちが考えた内容は、「6年生との会食」「6年生と各学年が遊ぶ会」「6年生と笑顔をつくる会」の三つです。それぞれの担当に分かれて、全員が役割をもって準備、実行してきました。
「6年生ありがとうプロジェクト」は、鼓笛隊移杖式の練習と平行して準備を進めてきました。6年生になると、学校の様々な活動で全校を動かし、主体的にリードしなければなりません。この行事では、自分たちだけで完結するのではなく、6年生のために全校の皆との協力のもとで会が行われることが求められていました。
フェニックス学年の子供たちにとっては、4月から表町小学校のリーダーになることを全校から認めてもらう機会でもありました。行事を通して主体性と実行力を育てるために、「準備から片付けまで自分たちで進めること」を子供たちに伝え、極力口出しをしないことにしていました。
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3月5日(火)には「6年生と笑顔をつくる会」を行いました。当初は「6年生を送る会」という名前でしたが、子どもたちが「“送る”というのは何かさみしい」というので、みんなで話し合ってこの名前になりました。
鼓笛隊移杖式の子供の振り返りにもあったように、子供たちはお世話になった6年生スター☆学年に対して特別な思いを抱いていました。特にこの一年間、共に活動することで、絆を強め、先輩への尊敬の念を強くしてきました。その思いが、「一緒に笑顔になる」というネーミングに込められていました。
プロジェクトの準備や実行は、うまくいくことばかりではありません。委員会活動で全校を動かす経験はあっても、5年生だけでそれをするのは初めてだったからです。準備が足りていない場面や、進行がうまくいかない場面、連絡が行き届いていない場面など、さまざまな局面に遭遇しましたが、その都度話し合い、全員で力を出し合って乗り越えてきました。
一番成長を感じた出来事は、「6年生と笑顔をつくる会」の5年生の発表のときです。実は会の当日まで、一度も通し練習をしたことがなかったのです。当日まで準備が整わない様子に、冷や冷やしていました。結局そのまま会はスタートしてしまったのですが、休憩時間に5年生全員が集まり、相談を始めました。
そして、その場で発表の進行の打合せを済ませました。本番までに準備が整わなかったのは大きな課題です。しかし、自分たちで考え、臨機応変に対応する様子は今まで見られなかった姿です。その他にも、状況を見て下級生を整列させたり、必要な道具を運搬したり、くす玉の後片付けを進んで行ったりと、会の成功を目指して、一人一人が考えて行動していました。
最後に校長先生から5年生にねぎらいの言葉を頂きました。その言葉を聞きながら、子供たちはうれしそうであるとともに、ひきしまった表情をしていました。やり遂げた実感とともに、「来年度の町校をよろしく」というメッセージを感じていたのだと思います。来年度の活躍が本当に楽しみです。