長岡市立表町小学校

学習発表会を終えて〜6年生

 今年度の学習発表会では,合唱「旅たちの時」と合奏「木星」を発表しました。どちらも夏休み前に子どもたちに示した曲です。楽曲に出会った時の「かっこいい曲だな。やってみたい。」という期待と,「難しそうな曲だな。できるかな。」という不安が入り混じったような表情が印象的でした。夏休みが開けてから,5・6年生合同でほぼ毎日,練習に取り組んできました。

 「旅立ちの時」を選んだ理由は,「歌詞を自分たちの経験に繋げてほしい」と考えたことと,歌詞の魅力を引き立てる楽曲のよさに迫ってほしいと考えたからです。この合唱曲は,「旅立ち」というキーワードから卒業式で歌われることもあります。ですが,この曲にとっての「旅立ち」は,そうした「卒業式」のような時間的な「旅立ち」だけでなく,「新たな自分への変革」という「精神的な旅立ち」が含まれていると考えていました。言わば,スター☆とフェニックスの子どもたちへの応援ソングです。

 5,6年生は「海の学校」や「山の学校」があり,そこに向かって全力で取り組んでいきます。それぞれの過程には,必ず自分を変えなければならない瞬間があり,それが,子ども一人一人にとっての「精神的な卒業」だと考えます。そういった経験と音楽を結び付け,「夢をつかむ者たち」に,「微笑みながら,振り向かずに」,「君だけの花を咲かせ」てほしいと願っていました。
 そして,そうした強いメッセージに負けない楽曲を学ぶことで,心を震わせてほしいと考えていました。


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 「木星」を選んだ理由は,長岡花火で聴かれる「ジュピター」の原曲に触れてほしいと考えたからです。あの「ジュピター」は「ホルストの組曲『惑星』の中の木星の一部分のテーマ」であることを,意外と子どもたちは知りません。原曲との関わりを知ることで,日常でよく耳にするいろいろな音楽には,原曲があり,それらは長く人々に愛されていた楽曲であることに気付くきっかけとなってもらいたいと考えていました。
 さらには,作曲者に興味をもったり,組曲の他の曲も聴いたり,オーケストラの演奏に興味をもったりするなど,音楽への興味や関心を広げることも期待していました。そういったことは,やはり子どもにとって「木星」が耳馴染みある音楽だからこそ期待できることだと考えていました。
 
 どちらの楽曲も,子どもにとって難しいと感じる場面がありました。「今日は,うまくできなかった」や「どこを演奏しているのか分からなくなった」「うまく音をとって歌うことができない」といった困難もあったようです。
 しかし,どの子どもも投げ出さず,音楽に向き合い続ける姿が見られました。次第に,「一緒に合わせてみよう」や「今のところがずれたから,音を聴き合おう」「もう一度,○○から練習しよう」と声を掛け合う様子が見られるようになってきました。嬉しかったことは,授業中「じゃあ,あとは個人練習にしよう」と提案した時に,「先生,もう一度合わせたいです」と子どもから声が上がったことです。音楽に対する自主性が表面化された場面でした。
 
 9月30日(日)の文化祭は,そういったやり取りを積み重ねていった上での発表でした。演奏を終えた後の,子どもの「やりきった」という充実感ある表情が印象的でした。


【活動紹介】 2018-10-11 17:30 up!

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