建学の精神「町校魂」を日常に生かす

当校は、明治4(1871)年10月15日※1に創立(145周年)された。戊辰戦争で焦土と化した長岡町(町家)にもようやく復興の兆しが見え始めたころ、「長岡町の発展の基本問題は、次代を背負う子弟を教育し、人物を成することである」という考えから、町民有志と町年寄りの連名で県に願書を提出し、「米百俵の精神」により設立された学校である。開校当初から、読み・書き・そろばんなどの実用教育を行い、自由と進取の気性に富んでいたといわれる。

以来、「町校」の愛称で親しまれている。「町校」の基本理念は、「町校魂」である。この「町校魂」は、子ども、教師、地域住民の三者が一体化されたものの中に貫かれた「心」 である。 この精神を基調に開学した当校は、校歌(第一校歌:昭和2年制定)に「焼け野に立ちて拓きぬる・・・ われに自学の心あり」と歌われているとおり「町校魂」で一貫している。この「町校魂」の意味するところは次のようになる。

○ いかなる困難に遭遇しても屈することなく、最後の成功を目指して不撓不屈、自己の最善を尽くす。

○ より高い理想と、より深い真理を求め、積極的、主体的に学習し、創造的学力を体得する。

○ 人生におけるいかなる苦難にも負けない気力、体力をもつために自分を鍛錬する。

教育目標

考える子 おもいやる子 強い子

具体的な子どもの姿

考える子 創造的知性をもち、問題解決の方法を身につけた子ども
おもいやる子 豊かな人間性をそなえ、正しいことを実行できる子ども
強い子 いかなる困難にも負けない気力と体力をもった子ども

(1)「考える子」について

昨年度まで考えることを楽しむ子どもの姿を求めて授業改善をしてきた。「かかわる」ことをキーワードにした実践により、生き生きと学習に取り組む子どもが育ってきている。今年度は、これまでの成果と課題の上に、これからの教育の方向を融合させ、子どもが「どのように学ぶか」を新たな視点に加えて教育活動を展開していく。  新たな問題に対して、子どもがもっている力を総動員して、主体的にかかわり、考えを広げながら解決に迫っていく。この新たな学びを創造していく過程を大切にする。これまで獲得した知識、技能だけでは十分ではない場面に出会ったとき、さらに必要な情報を獲得し、主体的に人やもの、こととかかわり、試行錯誤しながら問題解決に向けた学習活動を行う。そして、自らの学習活動を振り返って、次の学びにつなげるという深い学習のプロセスが重要である。この過程を重視することにより、自ら学ぶ力、学び方を身に付けた子どもを育てていきたい。  その際、各種学力調査結果の分析も生かしながら、自らの指導を見つめ直し、常に授業改善を図る。

(2)「おもいやる子」について

学校は、子どもにとって、居心地のよい場所でなくてはならない。他者に対して思いやりの心をもって、進んでよいことができる子どもを育んでいく。そのために、他者から受けた思いやりを感じ取ったり、他者から受けたことに対しての気持ちを表現したりする活動を大切にする。このことを通して、他者の喜びが自分の喜びとなる子どもを育てたい。  これまで、年間を通じて、青少年赤十字(JRC)の活動や異学年で構成された縦割り班活動に取り組み、よりよい仲間意識を育んできた。今年度もJRC活動や縦割り班活動を位置付け、他者のためになることを考え、実行する時間を設けて、思いやりの心を醸成する。また、自主的な挨拶を取組の中心にして人間関係調整能力を育てる。

(3)「つよい子」について

体を動かすことが好きな子どもが多いが、運動しないことどもとの能力差が年々大きくなってきている。そこで、今年度も子どもの運動能力の向上を図るために、モジュールを効果的に活用した体育の授業展開を工夫するなど、学習環境を整備していく。また、日常的に運動に親しめるように、今年度もチャレンジタイム(業間運動)を継続する。適時、持久走や縄跳び運動、ダンス運動に取り組み、自分のめあてをもち、その実現に向けて、子どもが計画的・継続的に運動に取り組めるように支援していく。これらの活動を通して、仲間と汗を流して運動することに楽しさと喜びを感じる子どもを育てていく。さらに、体力テストを実施し、自己の運動能力の伸びが実感できるようにするとともに、取組の評価として有効活用する。